僕ならガンダムAGEをこう直す

なんとなく毎週日曜日のガンダムAGEを見ているのだけれど、
なんというか何も起きない感じ。
それでも何か面白いことがあるかなーとか、
ツイッターなどの雰囲気を確認するために観ていたりします。

今回は、制作段階で
そうだったらオモシロいかったかなー、などと
AGE改定案を考えるという、ヒトリアソビ。

三世代設定が悪いのか、
ゲーム製作者が脚本を手掛けたのが悪いのか、
なんなのか、、。
普通に新しいスーパーロボットシリーズで自由に作ればいいのにと思ったりもします。
(やはり冨野氏のガンダムシリーズでの苦労は凄いと思う)

まあ悪い、というか「面白い」感じがしないということですね。
で、
せっかく観ているので、どうしたら自分が面白いと思えるかを考えてみたいと思います。


一応、あえてポイントを絞ってみよう。
1.演出・作画関連の問題
2.筋や設定の問題、
3.キャラクターの問題、
4.「見立て」の問題


演出については、専門的な見地から意見が色々あると思います。

http://d.hatena.ne.jp/hokke-ookami/20111010/1318262935

http://d.hatena.ne.jp/nuryouguda/20111010/1318181183

こういう話って面白い。
ストーリー以上に、構図や動きがアニメを作るという話。
映画の文法にも似た感じがありますね。
タイガー&バニーの演出はありだったのだろうか)
絵コンテとか、作画とか、ここは幅が広いところですね。
出崎統監督は凄かったのだろう。
http://hikawa.cocolog-nifty.com/data/2011/04/post-2f05.html
冨野氏の映像も
http://www.nicovideo.jp/watch/sm306208

これについては迂闊に語れないと思った!


筋や設定については、まあ突っ込んでもきりがない気分。
粗を探したいわけじゃなくて、楽しめるかという(粗探しという娯楽は無しで)ことが大切なので、
文句言っても仕方がない。お話や設定なら破綻しているものや途中で方針変更する物語は、
数知れず。
(当時リアルな雰囲気を醸し出していたというヤマトも細かいことを言えば凄い。
 キン肉マンも何度伏線をスルー&キャラクターのデザイン変更があったか。それが気にならないのだけれど)


キャラの好き好きは人によると思うので割愛します。
ガンダムseedとかの登場人物の目の大きさは個人的には見てられないけれど、仕方が無いw)


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ともなると、
製作者は、この作品を何に「見立てて」いるのか。

個人的にAGEをぼんやーり見てて、退屈なのは、
「何かを描く」ことをしていないと思うからです。

社会の問題や顕実化しにくい社会実情、もしくは表現しにくい感情?
SFアニメは、仮想の世界を使ってディフォルメして何かを描くことができるもの、と考えるなら、
その見立てが面白に直結すると思う(無論、演出などが相まってベストになるのですが)

英雄ロボもののトレースなら、
演出の調整があればいい線いっているのかもしれないが、
今、何を「見立てて」いるかが無いと、今観る必要がないよね。


「子供向け物語にリアリティを持ち込んだら、」という姿勢で作られた
ガンダム1や新ガメラ仮面ライダークウガは(そんな風に記憶)、
巨大な武器や巨大な怪獣、いわゆる無敵の力の運用をする際のこまごまとした問題を、
隠さず丁寧に描くことで、従来の英雄譚の意味を再度考えることをしたと思います。

新スタートレックなら、現実の異文化対立やズレ、コミュニケーションを宇宙規模で可視化しようという試みだったり、
いくつかの新しいガンダムシリーズはテロや地球平和ということをテーマとしながら、
ロボット歌舞伎的な美しさを極めることをしたり、
悲しい状況や悲惨な環境など、簡便にトラウマを設定する現代人を揶揄してもしかしたら描こうとしていたのかなー。
とか、僕は勝手に想像したりしていました。

新しい「日本沈没」は、英雄になりたかったクサナギ君のベッドの中の童貞妄想物語、だよなー。とか。
(ヒロインとの接し方とか、日本中をワープして挨拶したいとか最高)
僕はそう思って爆笑しながら感心していたのですが、。
まあそこまで行くと皮肉すぎるかもしれないか。

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で、AGEをどう直したら、面白くなるかなのだけれど、
もともとこういう「見立て」が欲しかったという案。

例えば、
■現代の子供の環境に見立てる

伝説のロボットという名のガンダムや武器など何でもかんでも準備してもらえるという、
3ポケット時代(親と双方祖父母からお小遣いが貰える)の主人公というのだったらどうだろう。
なんだかんだで甘やかしてくる上世代。お金もある。経験も豊かな上世代には、何も言えずニタニタしている主人公。


逆に、伝説のロボットをちゃんと軍隊に使ってもらえるように、
ネゴシエーションもできるコミュニケーション能力がやたら高い主人公。
器用で人の心もそこそこ操れて、合理的。
友だちが大事。コミュニケーション力が大事、とさんざん言われ続けた主人公は何が起こっても優先順位は仲間なので、
戦いがおろそかになるのだが、、、。

あるいは、
ガンダムの位置づけをリスク(核兵器)として

ガンダムを使って平和のために戦うが、誰からも支援をされず、非難を受けまくる、というのはザンボット3か。

平和を実現するために受け継いだガンダムだったが、その影響で精神的に主人公らは、傷ついてしまう。これはゲッターロボかな。

母から受け継いだガンダムは欠陥品で、時々に応じて、味方の施設を壊したりしてしまう。それを上手にコントロールする物語。実は敵が作ったものだった。うーん。これもありそう。


あるいは、
■歴史文脈として(大河ドラマ風な描き方)
三世代設定を活かすなら、いわゆる後の人が語るような「歴史の人」的な語り口で、(信長とか龍馬とか)、歴史が以下に改ざんされるものかを浮き上がらせるというもの。「母親から受け継いだと言われているガンダムだが実際の所ははっきりとしない。軍の設備をこっそり拝借して祖父が作ったロボットを、曰くつきにした、と言った文書も残っている」的な感じ。
まあファーストガンダムも正確には歴史物の作りですか。UCもこんな感じかな。

さらに、
■現代の恐怖として(現実を変える恐怖と、現実は続くという恐怖)
地球に似た異世界へ迷い込んでしまった主人公は、創造が現実になる異世界のチカラを使ってロボットガンダムを生み出す。
他の兵器よりも圧倒的な強さのガンダム異世界の問題をどんどん解決するが、異世界の敵や味方の軍隊には双方言い分があり、(敵は異世界火星に追いやられた人だった!w)はたしてガンダムがやっていたことは正しいことなのか。さらに主人公は、この異世界に済み続けその悩みは受け継がれていく。。


方針として
■戦いをゲームのように考える現代
大きな声を出してなんとなくレバーを引く戦いではなくて、AボタンBボタンを押すがごとく、戦闘をテレビゲームみたいにする。
ついでにテレビゲームで全く同じ体験ができる的な。(あ、レベルファイブはこれをやるのかな)

■現実に流される日常(テレビ見ている本人が主人公)
熱血漢とかクールとかそういうステロタイプなキャラ設定を諦めて、主人公の顔も極力写さず、
「なにをした」のモノローグだけで進めていくロールプレイ風演出。
よって物語は極力、本人の意思は主張されず、周辺の状況により、主人公は必然的に動かされるという物語構造になる。
(これこそ、批判されそうだなーw)


こう考えると、
何を描きたいのかって面白さに直結するし、
同時に結構アラカタ手を付けられていることなんだなー、と思う。
恋愛やら友情やらにフォーカスしたものも少なくないし。
(コンバトラーやダイモスは70年代か)



既に始まっているわけで途中に直すとしたら、
■主人公の妄想だった。
母から受け継いだとか、好きな子が敵になっちゃうとか、喧嘩している軍隊同士が仲良くなる話とか、あまり本格的なピンチにならないとか、そういう都合の良い物語を妄想している主人公。
だから、一世代の段階ではガンダムはまだ実際は無く、(もう二代目も始まっちゃったから、これも妄想)三世代目で本当の兵器としてのロボットが出てきて、その存在感に皆凹む。



もうこうなったら観る側の視点を変えることなのかもしれないけれど、
(観なきゃいいのかw)

なんだか文脈が読み取れないというところが、この作品の特徴なのかもしれない。
もしかしたら、何かに「見立て」て伝えるみたいなものは、必要無い時代なのかもしれない。
ロボットアニメカルチャーの再生産の新しい形というか。

本当の意味でのガンダムの破壊、なのかもしれない。